フトアゴの頸椎症(はりすけについて)
フトアゴの頸椎症という病気についてです。
我が家では、はりすけという子がこの病気にかかっています。
初期の状態だとこの病気が発見できないことがあり、発見まで時間が掛かりました。
そのため、初期の症状からどのような経過を辿って、発見できたかを記載します。
当時の様子を別のSNSでアップした順に記載しますので、長文となります。
途中経過で間違った解釈をしている部分もありますが、そのまま記載します。
■頸椎症が発生した日からどのような対応をとったか■(2018/08/25)
8月24日から、はりすけが体に神経麻痺を起こし、まともに歩けなくなってしまいました。
うまく動けなくなった直後は、四肢を全部使い、傾きながらも歩けていたのですが、数日すると後ろ足は完全に引きずって前足だけで歩くようになってしまいました。
☆頸椎症になる前のはりすけ☆
非常に元気で、毎日虫食にしないと痩せてしまうほどでした。
☆頸椎症になった直後☆
かかりつけの病院でのレントゲン、血液検査では何も問題なく、原因も神経系ではありそうだが、部位の特定は難しいということで消炎剤を処方してもらいました。
特に効果は無く、状態は悪くなる一方だったので、セカンドオピニオンとして別の病院での検査をしました。結果は同じで、根本的な原因は不明。こちらでも消炎剤をもらって様子を見るということになりました。
消炎剤を使ってもそれほど効果はなく、自力での排便もできなくなってしまったので、排便の方法を聞くのと、このような事例がないか確認するため、再度セカンドオピニオンで通った病院の院長に相談しました。
過去の事例でアガマ系(フトアゴを含む)、アオジタなどは外を見るために、ケージを前足で掴みながら、立ち上がって外を見ていることがありますが、その際、腰椎を痛めてしまう例が多々あるそうです。(椎間板ヘルニアの悪くなったようなものです)
近親交配を重ねた遺伝子レベルの神経麻痺であった場合、全身が動かなくなり、早期に死に至る場合があるので、そこを心配していましたが、下半身の神経麻痺だけで済みそうなので少し安心しました。
ただ、遺伝子に組み込まれた神経麻痺が後から発生するものかは私が確認できていないので、上記の情報は誤っているかもしれません。
食欲、性欲、気力ともにあり、雌がいれば頑張って近づいてボビングするほど元気なので、これからは、今までよりもう少し手を掛けて、なるべく元気に生きていけると良いなぁと思っています。
■約1ヵ月後の状態■( 2018/09/23)
腰椎を傷めてから1ヶ月が経ちました。
動きが制限される事で弱っていってしまうことを懸念していたのですが、はりすけ自身が今の状態を把握したかのように、かなり自由に動くようになりました。
ケージの中のペットシーツがぐしゃぐしゃになる程動き回り、外に出たいときは、窓の下の木の部分をカリカリと引っ掻いたりして、怪我をする前のような動きをするようになりました。
食欲も旺盛で常に頭をあげ、非常に元気になりました。
一番驚いたのは、痛いはずの背中から脇腹にかけて(以前は触るだけでビクビクっとして動かすのは不可能だった部分)、横に折り曲げて寝ていた事です。
痛みが取れるとは思えないのに、このように色々とこなせるようになっていく事に、日々驚かされています。
まだ歩く時に後脚を使うことと、自力での排便はできません。ですが、強制的に排便をさせる時に、後脚で立つことはできるので(踏ん張るため)、難しいとは思いますが、いずれ四肢を使って歩けるように、一緒に頑張っていこうと思います。
■2ヶ月経った状態■(2018/10/14)
本日、かかりつけの病院にはりすけを連れて行ったところ、以前記載した病状と違う事がわかりました。
以前、腰椎の神経を痛めた、と報告したはりすけですが、この様な状況になった根拠が知りたく、一番最初に診断してもらった病院に行ってきました。
まず、別の病院での診断結果を伝えたところ、フトアゴの成体でその様な事が起こることはまず無いという事でした。
成長中のトゲオアガマや、アオジタでの症例は割とあるが、フトアゴ(さらに成体)である場合には、まずあり得ない、という事です。
トゲオアガマなどが、自分の体高より高い部分に前脚を掛け、ゆったりしている状態があると思います。骨がしっかり形成されていない状態(成熟しきっていない個体)の子がその姿勢を頻繁に取っていると、反っている部分の骨が変形し、さらに症状が進むと神経が損傷する事態となります。
そうなった場合、外見からも骨が曲がっている事がわかります。
骨が曲がる=骨が柔らかい という事なので、成体では起こりにくいという訳です。
はりすけの話に戻ります。
以前上からレントゲンを撮った際、全く問題はなかったのですが、今回もう一度横からレントゲンを撮ってもらったところ(上からも撮ってもらいました)、背中の真ん中あたりの骨いくつかが横に飛び出していました。
病名は「頸椎症」。人間でもかかる病気で、加齢とともに頸椎の骨が変形する症状です。
はりすけは2歳半程度なのに…
若くても起こりうる病気という事でした。(通常は7歳前後になってから発生しやすいようです)
症状が進むと骨棘(こつきょく)という軟骨の隆起が起きます。レントゲンを見る限り、骨棘が3つ程できている様に見えます。
この骨棘が神経に触れることで、痛みが出てしまうようです。
はりすけの場合、後脚を動かすことは出来るのですが、後脚を使った歩行は出来ないという状態です。色々なところを触ってみると、後脚の付け根と下腹部の間を少し押すだけで非常に嫌がるので、ここに問題があるのだと思います。
人間であれば、手術で症状を軽くすることもできる様ですが、現状では爬虫類の症状を緩和することは難しいです。
更にこの病気は、進行する可能性が高いです。はりすけの例ですと、背骨の真ん中に骨棘が出来ていますが、これが上に行くか下に行くか、尻尾に飛ぶか、全くわからないそうです。このままの症状という可能性もあります。
腰椎(腰椎以外の骨も)と、骨棘についてわかる範囲で記載してみました。
今後該当する子が出てきた際、参考になれば幸いです。
☆頸椎症のレントゲン写真(上)☆
☆頸椎症のレントゲン写真(横)☆
■発症から約5ヶ月後■(2019/01/18)
頸椎症で歩行時に後脚が使えなくなり、排泄も自力できなくなったはりすけですが、今日ケージの中で自力で排泄していました!
あまりの量だったので写真は控えますが、自分で試行錯誤して色々できるようになるんですね。
少し前から、流木を上手く使って立ち上がることが出来るようになったので、後脚の踏ん張りが効くようになったようです。
■現在のはりすけ■(2019/04/08)
少し前までは立ち上がってケージの縁につかまった後、よく仰向けに転がっていたのですが、最近はそのような事は滅多に無く、ケージの窓を開けるとそこから顔を出し、周りの様子を伺っています。
以前のように動き回れないことがストレスになることがあるため、少し散歩をさせた後は膝の上でゆっくりしたりしてます。相変わらず元気にケージの中で動き回っていますし、食欲も旺盛、部屋に出ると顎を黒くしてボビングして回っています。最近通院していないので、状態がどのようになっているかはわかりません。
悪くなっていたとしても手の打ちようがないと思われるので、毎日様子を見ながら過ごしています。
ただ、出来る事は確実に増えていますし、何かしたいときは自らアクションを起こしてくれるので、今のところそれほど生活に支障はありません。
☆頸椎症で下半身を使っての歩行が難しくなりました☆
☆2018/10/21に一度だけ後脚を使った歩行が出来ました☆
その後は一度もありません
☆部屋に出たいときや見渡したい時はこのようにしてます☆
話しかけると反応があるので面白いです
☆散歩後に疲れて膝で休んだりしています☆
長くなりましたが、獣医さんに診てもらってもすぐに症状が出ない病気もありますので、セカンドオピニオンを受けたり、日を空けて2度、3度と足を運んでみるのもよいかもしれません。
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