フトアゴは懐く?
個人的な見解ですが、フトアゴは人に懐きます。 「爬虫類は人に馴れるけど懐くことはない」と言う方も多いですが、そんなことはないと思います。(但し、私が断言できるのはフトアゴだけですが…)
※実際どうしてこういう結論に至ったかを書くので非常に長いです
もちろん個体差はありますが、しっかり個々の性格を見極め、その子が何をするのが好きか、何をされるのが嫌なのか、など、毎日じっくりと接していれば、何がしたいかわかるようになってきますし、こちら側に何かして欲しいというサインを出し始める子もいます。
自分の名前は覚えますし、待て、こっちおいで、なども覚えます。ただ、反応が遅かったり、気分によっては全く反応してくれないこともあります。これは犬や猫などの哺乳類も同じだと思っています。
餌が欲しいだけ、人肌が温かいのを知っているからくっつきたいだけ、だから懐くのではなく馴れるだけ、という人は年単位で毎日2時間ずつ声をかけたり、触れ合ったりしてみると、違った面が見えてくるのではないでしょうか。
うちの子でいうと「とげまる」「はりすけ」は非常に頭が良く、餌付け無しで様々な要求に応えてくれますし、こちらにもトイレ、ご飯、抱っこなどを要求してきます。
「とげまる」は初めてお迎えした子です。もともと非常に穏やかで、人を嫌がらなかったので、犬や猫と同じように接していると、自然にいろいろなことを覚えてくれました。
特に、ケージ内での排泄が嫌いで、トイレに行きたいとケージの前で大暴れして、必死にアピールしてくるのが印象的です。(間に合わずにケージ内でしてしまうと、遠いところに居座っています) 待て、こっちおいで、を最初に覚えたのもこの子でした。
また、人の考えていることや言っていることを察する能力が高いため、こちらから教えなくても自分で良し悪しの判断をすることがあります。
以前、息子がシルクワームをあげた時に、少し強めに指を噛んでしまったことがありました。息子は「とげまるなんて大嫌い!」と大泣きし、それを見ていたとげまるは、直ぐにケージの奥に隠れてしまいました。
息子が少し落ち着いて、「とげまるわざとじゃなかったんだよね。ごめんね。」と言って抱っこをすると、顔を首に擦り付け、甘ったれているような仕草をしていました。
この後から、とげまるは餌を食べる時、必ず目一杯舌を出して、食べるようになりました。間違って噛み付いてしまうということはなくなりましたが、餌を食べるのは下手くそになってしまいました… 本当に優しくて賢い子だと思います。
「はりすけ 」は1歳を過ぎてからお迎えした子で、最初は噛み癖が酷く、肌が出ているだけで走って噛みつきに来るほどでした。
これは矯正するのに1年以上かかりました。
私が実施した矯正方法は、噛み付こうと口を開けた時に体を抑えて鼻の先をトントンと叩き「噛んじゃダメだよ」を1日2時間程度一緒にいて毎日繰り返すというものでした。
何度も血が止まらないほど噛まれましたが、続けると口を開けるけど、噛まずに我慢するということが徐々にできるようになりました。
頸椎症になる前は、人に対して一切口を開けなくなっていましたが、今は喉が渇いた、お腹が空いた、外に出たい、のいずれかの合図で口を開けてアピールしてくるようになりました。
下半身をうまく使えないため、人に頼ることが多くなりました。人にくっつきたがることも増えました。それをするためのコミュニケーション手段を、ケージ内からどうアピールすれば伝えられるのか、という事を自ら考えたようです。勿論こちらからも意図を汲み取るよう何度も確認をしました。
現状、何かしたい時はケージの窓にボビングし、アゴを当てることでこちらを呼び出し、ケージの窓を開けた時に口を直ぐに開けた時は前出のアピール、口を開けない時は、窓から顔だけ出して、周りを見渡してストレス解消をしているようです。話しかけるとこちらをジッと見てよく聴いてくれるので、つい長話をしてしまいます… 現在は、口の中に指を入れようとしても噛むことはありません。
噛みグセの原因は、最初は肌の部分を餌だと思っているか、人に対する恐怖心からくるものだと思っていましたが、遊びの一環でやっていた可能性が高いです。
噛まれた時は強く噛みますが、直ぐに離して、また噛み付いてくるという感じでした。試しにタオルを噛ませてみたところ、引っ張りっこのような事をしたがり、暫く構っていると、大人しくびろーんとしていました。少し犬に似ているかもしれませんね。
上記のように人とある程度コミュニケーションを取ることが出来る2匹に共通することがあります。それは、怖い目にあったりすると必ずこちらに戻ってくるということです。
例えば初めて行った病院で検査をした時など、検査中でもこちらに戻ってこようとします。これは私の事を「何かあった時に手助けしてくれる人」と思ってくれているのではないかと感じています。
わかりやすい反応をする2匹のことだけを書きましたが、他の子達も様々なエピソードがあります。みんな自分の名前は覚えています。その子にしかできない事もあります。
だいぶ余計なことも書いてしまいましたが、これは実際にあった話で、これからもっとコミュニケーションが取れるようになっていくと思います。
乱暴な言い方かもしれませんが、これを「懐く」ではなく「馴れる」というのであれば、ほとんどの動物は「馴れる」だけなのではないでしょうか。
著名な医師と話をした時も、そういう考えは10年以上古い考えで、今は懐くという考え方は間違っていないとのことでした。また、海外ではもっと爬虫類の研究が進んでおり、日本では研究が遅れているという事です。
国内の情報だけでなく、海外の研究についてもっと目を向けていかないといけませんね。
犬や猫に比べて飼い主側から察してあげなければいけないことも多く、労力はかかりますが、意思疎通ができるようになった時は本当に嬉しいですし、今後のお世話も楽になります。
全ての飼育者が私のように時間を取れるわけではないですが、試してみる価値はあると思います。
非常に長くなりましたが、以上となります。 長文、駄文失礼しました。
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